足場屋の仕事
「足場」とは…Introduction
工事現場においての「作業スペース」
…それが「足場」
「足場」は、工事現場においての「作業スペース」です。工事に携わる多くの人が安全に・効率よく建設作業を行うために欠かせないものです。
鳶(とび)に始まり・鳶に終わる
呼称の起源は江戸時代と言われています。「鳶」の字は、鳥の「とび(またはとんび)」と同じですので、「鳶のように高いところに居る」という意味と思いきや、実はまったく違って、「鳶口」という道具をよく使うことから「鳶職」の名前がついたということだそうです。
誰よりも早く工事現場で仕事を始め、足場を組み、工事の終わりに足場を片付けていくという仕事であることから、「工事は鳶に始まり鳶に終わる」とも言われています。高所で危険も省みず軽い身のこなしで足場を組む様子から、神様のような仕事と言われていたという説もあります。
鳶職のトレードマークだった「ニッカポッカ」
またズボンが脚に密着していると動きがしづらく、作業がスムーズに進めらません。そして転落事故を引き起こしかねません。そこで股下に余裕があるニッカポッカが重宝されてきました。
しかし、最近ではこのニッカポッカを履いた人を見かけることが減ってきました。工事現場の環境整備が整ってきたことや、伸縮性に優れた生地を使ったユニフォームが開発されて、ニッカポッカでなくても良くなってきたためです。
山頭花でも、足元がスマートなユニフォームをスタッフに支給しています。
足場のはじまりは「木」と「ひも」
昔は当然ながら「金属の棒」などというものがありませんでしたので、足場の材料は「木」であり、木材と木材を結びつけるのは「ひも」でした。木を用いた足場は、建設技術の発展や金属による足場材の進化により、徐々に姿を消していきましたが、昭和の時代でも現役と言って良いレベルで組まれていました。
神社仏閣の改修や国宝などの修繕では、今でも丸太を使って足場を組むことがあります。
足場材(仮設資材)
単管パイプ
ジャッキベース
足場を設置する場所置き、足場が水平になるように調整する、足場の支えのような役割がジャッキベースです。
建枠(たてわく)
工事現場の足場幅は、この建枠で決まります。建設現場の様子によって使い分けられます。作業員同士が安全にすれ違うことのできる足場板2枚分の幅のものが主に使われています。
建枠には多くの種類があります。(イラスト…神社の鳥居に似ていることから鳥居型建枠と呼ばれています)
筋交いブレス
足場は、多くの作業車の往来や重量物を支えています。そのため、揺れにも強くなくてはなりません。そこで、筋交いブレスを用いて、骨組みと骨組みをつなぎ止めます。
アンチ(鋼製布板)
風にあおられないように通気性を確保するため、また足元が滑らないように穴を空け凹凸のついた鋼板にフックを付けた資材です。足場の床材として使用されます。
足場板には、木製やメッシュ素材のものなどがあります。
ジョイント
建枠や単管パイプをしっかりつなぎ合わせるのがジョイントです。足場材の中では小さな部品ですが、しっかりと足場を支えています。
階段(ステップ)
足場を上り下りするための階段です。ステップ部分は、アンチと同じく、通気を良くするため・滑り止めのための凹凸穴があります。
養生 ~足場屋、もう一つの気遣い
この養生に使うシートには防音性、防炎・難燃性に優れたものなど、明確な基準があります。
また、工事の種類のよって、メッシュ状のものを選んだり、ブルーシートなどできる限りスキマのないものを選んだりします。
足場屋の資格
資格があることで、年齢を重ねても足場屋の仕事をずっと続けられます。
資格取得者が多数在籍することで、会社の信用度も高まりますので、資格取得の応援もしています。
足場技術者として取得する資格は多くありますが、その中で「三種の神器」と呼ばれる資格が、「玉掛け」「足場」「鉄骨」です。
玉掛け技能講習
クレーン等で荷を吊る際に、ワイヤーロープなどを吊り荷に掛ける作業を「玉掛け」と言い、吊り荷からワイヤーロープを外すことを「玉外し」と言います。
足場材をクレーンで吊り上げ、高所で組み上げ作業をすることも多いため、必要な資格です。
足場の組み立て等作業主任者技能講習
吊り足場、張り出し足場、または高さが5メートル以上の足場の組み立て・解体・変更作業には、足場の組み立て等作業主任者を配置することが法律で義務付けられています。
取得するためには、足場作業の経験3年以上が必要です。しっかりと現場をこなし、知識や技術を得た上で、資格取得に挑みます。
建築物等の鉄骨組み立て等作業主任者技能講習
高さ5m以上の建築物の鉄骨、鉄塔の組み立て解体・変更の作業を行う際には、建築物等の鉄骨組み立て等作業主任者を配置することが義務付けられています。